海洋石油・天然ガス分野における脱炭素化等推進に係る日本財団-DeepStar連携技術開発助成プログラム申請ガイド(第2事業期間の技術開発(2年目)が対象)

募集は終了しました

1. 本プログラムの趣旨

日本財団では、今後、地球温暖化対策においても重要な役割を果たすと見込まれる海洋開発に、我が国の企業が積極的に参画できるよう、産学官とも連携し、海洋開発人材の育成を含む総合的な技術力の向上に向けた取り組みを進めています。

日本財団は、2021年12月6日に、世界的な大手エネルギー会社で構成され、海洋石油・天然ガスの技術開発に取り組むコンソーシアム「DeepStar」(※注1)との間で、海洋石油・天然ガス分野における脱炭素化等の推進に向けた新たな連携技術開発プログラムにかかる覚書を締結(外部リンク)しました。

この連携技術開発プログラムにおいて、日本財団はDeepStarと共同で、海洋石油・天然ガス分野における脱炭素化等に資する技術開発を行う日本企業に対し、総額15億円規模(1,000万米ドル)の支援を行っているところです。

本募集は、2024年6月より開始している第2事業期間の連携技術開発に関する助成申請募集を行うものです。日本財団は、本プログラムの支援によって、日本企業がDeepStarコアメンバー(※注2)と共同開発した機器、装置または設備を実用化し、製品またはこれを用いたサービスとして世界的な大手エネルギー会社に提供することで、我が国の海洋開発人材の活躍の場が広がることを期待しています。

  • 注1:DeepStarとは、上流企業と呼ばれるChevron(米国)、Shell(英国)、Equinor(ノルウェー)など、世界中の海洋石油・天然ガスの探査・開発・生産を担う企業や、これら企業に製品・サービスを提供する企業、大学、研究機関などから成る海洋技術開発のコンソーシアム。DeepStar(外部リンク)
  • 注2:DeepStarコアメンバーとは、Chevron社(アメリカ)、Equinor社(ノルウェー)、Shell社(イギリス)、ExxonMobil社(アメリカ)、TotalEnergies社(フランス)、Petrobras(ブラジル)等、DeepStarを構成するエネルギー企業

2. 対象となる団体

第2事業期間(1年目)に採択されている団体。

3. 対象となる技術開発の内容

本募集の趣旨に沿ったもので、以下に該当するものを対象とします。

  • DeepStarコアメンバーと連携して、技術開発を行い(毎月1回の会議で進捗状況の報告及び議論を英語で行う)、当該技術を用いた製品製造・事業化の意思があること
  • 海洋石油・天然ガス分野における脱炭素化等を推進する技術開発であって、以下に該当するものであること
    • 油層の熱エネルギーを用いた地熱発電関連技術(再生可能エネルギー)
    • 風力・潮力等の再生可能エネルギーを用いた洋上石油・ガス生産施設への電力供給関連技術(再生可能エネルギー)
    • 生産施設における高効率可燃ガス除去・再注入関連技術(温室効果ガス削減)
    • CCS(二酸化炭素回収・貯留)またはCCUS(二酸化炭素回収・利用・貯留)関連技術(温室効果ガス削減)
    • 洋上施設における炭化水素または再生可能エネルギーからの水素製造関連技術(温室効果ガス削減/再生可能エネルギー)
    • 炭化水素の流出防止にかかるモニタリング及び拡散シミューレーション関連技術(海洋環境保全)
    • 随伴水の処理関連技術(海洋環境保全)
    • 無人施設におけるロボットを用いたモニタリング等の安全関連技術(労働環境の安全性向上)

4. 事業のスキーム

本事業はその期間を2期に分けて実施します。

第1事業期間(終了)

  • DeepStarのコアメンバーの助言や指導を受けつつ、研究開発を実施します。
  • 期間は1年以内
  • 開始日:2023年6月1日
  • 終了日:2024年5月31日

第2事業期間

  • 第1事業期間での成果をベースに、さらに内容を深化させ実用化に近い研究を実施します。
  • 期間は最大2年間
  • 2024年6月より実施中

5. 事業の費用・補助率等

本事業にかかる費用には、以下が含まれます。

  • 研究開発費:申請する研究開発にかかる費用
  • 研究開発管理費:研究開発費の10%相当。2025年秋頃に申請者(事業を実施する者)が米ドル建てでDeepStarへ支払います。英名は、「Project Management Fee」。
  • その他

助成金額

  • 本事業に対する助成金の補助率は、「事業費」に対して原則80%です。
    ただし、日本財団が特に必要と認める場合にはその限りではありません。
  • 助成金額の上限
    • 第1事業期間(1年以内):1件あたり1,000万円~2,000万円程度
    • 第2事業期間(2年以内):1件あたり最大1億円程度

審査の結果、申請時から減額して採択される場合もあります。

申請者の自己負担額

申請した事業が採択された場合の自己負担額については、以下をご確認ください。

自己負担額モデルケース

このモデルケースでは、為替レートを1米ドル=100円と仮定しています。申請の判断のためにご自身で試算をされる場合は、その時点での為替レートを使用されることを推奨します。

(研究開発管理費について)

  • 2025年春頃に、研究開発費10%分に相当する研究開発管理費の米ドルの金額が確定します。これは、申請者(事業を実施する者)がDeepStarへ直接支払うものです。
  • 2025年秋頃にその時点での為替レートを適用し、DeepStarに支払います。
第1事業期間のモデルケースの図。事業期間:1年。事業費2000万円。助成率:80%。為替レート1米ドル=100円。OIC会員種別:準会員(150万円/年間)③事業費:2,200万円。その内訳は、①研究開発費:事業費の90%=2,000万円。②研究開発管理費:研究開発の10%=200万円。④助成額:事業費の80%=1,760万円。申請者負担:事業費の20%=440万円。それ以外に申請者負担(任意):OIC会員費:150万円。本ケースでの申請者負担額は、事業費の20%(440万円)と日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムの準会員に入会した場合の会費1年分(150万円)
第2事業期間のモデルケースの図。事業期間:2年。事業費1.1億円。助成率:80%。為替レート1米ドル=100円。OIC会員種別:準会員(150万円/年間)③事業費:1.1億円。その内訳は、①研究開発費:事業費の90%=1億円。②研究開発管理費:研究開発の10%=1,000万円。④助成額:事業費の80%=8,800万円。申請者負担:事業費の20%=2,200万円。それ以外に申請者負担(任意):OIC会員費:300万円。本ケースでの申請者負担額は、事業費の20%(2,200万円)と日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムの準会員に入会した場合の会費2年分(300万円)

用語の説明

  1. 「研究開発費」:申請する研究開発にかかる費用
  2. 「研究開発管理費」:「①研究開発費」の10%相当
    • 2025年秋頃に事業を実施する者が米ドル建てでDeepStarへ支払い
    • 英名は、「Project Management Fee」
  3. 「事業費」:「①研究開発費」と「②研究開発管理費」の合計金額。
  4. 「助成額」:日本財団が事業を実施する者対して助成する額。「事業費」の80%以内
  5. 「事業期間」:第1事業期間(1年間)と第2事業期間(最長2年間)を合わせて、最長3年間。
  6. 「OIC会員費」:日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムの年会費(入会いただいた場合)
    • 特別会員(500万円)、正会員(300万円)、準会員(150万円)より選択

詳細については、日本財団宛てにお問合せください。

6. 対象となる経費

本事業で対象となる経費は、技術開発の実施に必要なものとします。

  • 費目は各法人の会計規則などにあわせてご記入ください。

経費は以下の例を参考にしてください。

費目(例) 内容
施設費 実験施設借り上げなど
機械装置費 実験設備の購入など
工具器具備品費 研究に直接必要な備品等の購入費
材料費 研究に直接必要な材料等の購入費
使用料 データ使用料など
プログラム取得費 ソフトウェアの取得など
直接人件費 技術者や研究者の人件費のうち、研究に直接従事した割合を按分したもの。
業務委託費 調査研究、翻訳作業など事業の一部を他に委託する費用(委託先は原則として国内に限る)
旅費交通費 研究に直接必要な移動に係る経費
雑費 少額かつ上記経費項目に含めることができない諸経費

7. 申請手続き

申請受付期間(全て日本時間)

  • 申請受付開始:2025年1月6日(月)9:00
  • 申請受付終了:2025年1月17日(金)17:00(厳守)

申請時の留意点

申請時には、貴社の提案の支援企業(英名:Champion)として、DeepStarコアメンバーのうち少なくとも1社が確定している必要があります。

申請方法

以下の2つをご対応ください。

  1. (1)助成ポータルより助成金申請
    • 対象事業者の方には別途メールでURLをご案内しておりますので、ご確認ください
  2. (2)事業概要資料(日本語)の提出
    • 指定フォーマット(外部リンク)をダウンロードしてご作成ください
    • 昨年同様、専門家でなくとも理解しやすいよう、極力平易な表現でお願いいたします
    • ご提出はメールで日本財団海洋事業部(ocean_innovator@ps.nippon-foundation.or.jp)までお送りください

8. 結果の通知

申請いただいた事業の審査結果は、2025年3月にお知らせの予定です。
それ以前の採否のお問い合わせには、お答えできませんのでご了承ください。

9. 事業採択時の留意事項

申請した事業が採択され、事業を実施する際には、いくつかの条件及び留意事項があります。
以下の事項について申請前に必ずご確認ください。

当財団の助成事業の流れについて、段階ごとに記載しています。

(1)助成契約の遵守

  • 事業が採択された際には、事業を実施する者と日本財団との間で「助成契約」を締結します。この助成契約に反する行為があった場合は、助成金の返還請求等を行うこともあります。契約を遵守してください。
  • 助成事業終了後5年間は、事業関連の書類や取得物保管等の善管義務が発生します。ご注意ください。

(2)助成表示

日本財団が別途定めた助成表示を成果物等に表示してください。

(3)完了報告書の提出

助成事業の完了後は、完了後15日以内に「事業完了報告書(EXCEL / 64KB)」を提出してください。「事業完了報告書」には収支計算書も含まれます。

(4)監査及び事業評価

助成事業の完了後、日本財団は監査を実施します。監査では、助成事業の内容と費用を確認します。
また、今後の事業のより良い実施を目指し、事業評価を行うことがあります。
監査及び事業評価の結果は、ウェブサイトなどで公表します。

(5)個人情報の取り扱い

日本財団が本助成申請に際して収集した個人情報は、日本財団の個人情報保護方針に基づき、助成事業に関する事務手続き、助成金の募集案内、日本財団に関連するイベント案内、アンケートの実施、各種お知らせのみの目的に利用します。

(6)事業成果の公表

事業完了後に提出した「成果報告書」は、日本財団図書館(外部リンク)に掲載します。詳細についてはお問い合わせください。

(7)知財関係

事業終了から5年間は、以下について事前に日本財団へ報告してください。

  • 知的財産権の譲渡または貸与:本事業を通じて取得した知的財産権を有する成果物を譲渡または貸与する場合
  • 知的財産権化:新たに知的財産権を有すると主張する場合、または成果に関連して特許を出願または特許権が発生した場合

完了報告書記載時にも、本事業において取得した知的財産権を有する成果物については列記してください。

(8)人材育成関係

本技術開発事業への参画期間中は、オーシャンイノベーションコンソーシアムの活動の一環のため、同コンソーシアムへの加入(※任意)をお願いしています。日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアム会員メンバーへの加入は特別会員(年会費500万円)、正会員(年会費300万円)、準会員(年会費150万円)から選択可能です。

(9)DeepStarとの契約

日本財団との助成事業契約に加え、DeepStarとも契約を締結します。事業を実施する者とDeepStarとの間の契約書のひな型は、DeepStarホームページ(外部リンク)の中の「Nippon Foundation Partnership projects」欄のリンクからダウンロードが可能です。申請にあたって、ご参考にしてください。

10. リンク一覧

申請時にご参照いただけるリンクの一覧です。

当財団の情報に関するもの

お問い合わせ

日本財団 海洋事業部 海洋開発人材育成推進室

  • メールアドレス:ocean_innovator@ps.nippon-foundation.or.jp