WHO事務局長グローバル・ヘルス賞受賞

ビデオ・メッセージ

テドロス事務局長、各国政府代表団の皆様。本日は、大変栄誉ある賞をいただき心より感謝を申し上げます。

私は、ハンセン病と病気にまつわる偏見と差別のない世界を実現するために世界中で活動をして参りました。40年前、初めてハンセン病療養所を訪れた時に見た、社会から、そして家族からも見捨てられ、絶望した患者の表情は今でも鮮明に覚えています。以来、人類最古の感染症の一つであり、患者・回復者・その家族らを長い間苦しめてきた人権問題でもあるハンセン病との闘いが始まりました。

私は2001年にWHOよりハンセン病制圧大使を拝命し、「現場には問題と答えがある」という信念のもと、これまで100ヶ国以上で時にはジャングルや砂漠、山岳地帯など様々な現場で活動してきました。医療面では世界中で薬の無料配布をしたことで患者数は劇的に減少しました。また、ハンセン病の人権問題は、2010年に国連総会にてハンセン病患者、回復者とその家族への差別撤廃が全会一致で採択されました。ハンセン病と病気にまつわる人権問題はファイナル・プッシュ、即ち最後の1マイルまで来ています。 しかし、日本には「100マイルを行くものは99マイルをもって半ばとす」という故事があります。コロナ禍ではありますが、今私は”Don’t forget leprosy”キャンペーンを世界中で展開しております。こちらの写真は、先日私の友人に協力いただき、エベレストの頂上で撮影いただきました。皆さんのご協力のもと、この病気と人権問題のファイナル・プッシュを進めて参りましょう。ありがとうございました。

※本ビデオメッセージは、外部リンクにて視聴できます。