WHO国際ハンセン病プログラム会議
プーナム・シン・SEARO事務局長、ズズサンナ・ジェイカブ・WPRO事務局長代理、また22ヶ国からお集まりの皆さん。コロナ禍で後退したハンセン病対策の遅れを取り戻すため、関係者や専門家らが一堂に会し、ハンセン病問題に関する話し合いの場が設けられたことを、WHOハンセン病制圧大使として嬉しく思います。
今回の会議に於いて、WHOが、GLP主導の下で、”Technical Guidance on Interruption of Transmission and Elimination of Leprosy Disease”を発表したことを評価致します。本ガイダンスの中で、公衆衛生上の問題としてのハンセン病制圧を達成した国々が次に目指すべき目標が明示されていることは、大きな意義があると考えています。これが契機となり、患者の早期発見・早期治療、接触者健診、予防内服などを効果的に組み合わせることにより、各国でハンセン病対策が一層強化されることを期待しています。
太平洋島嶼国については、少ない担当者で懸命に活動されていることに心から敬意を表します。sかし、残念ながら子どもの新規患者数が多いといった特徴がありますので、皆さんには引き続きしっかりと対策を進めて欲しいと思います。また、ハンセン病ゼロの達成が間近の国については、患者数をゼロにすることも重要ではありますが、患者・回復者・その家族らに対する差別・スティグマの問題が存在することにこれまで以上に留意していただきたいと思います。
今回の会議では様々な点が議論されたと伺っていますが、単にそれらを話し合いで終わらせるのではなく、ハンセン病のない世界に向けて、各国で行動に移してください。その過程において、私にできることがあれば、遠慮なく声をかけて下さい。私は「現場に問題点と答えがある」という行動哲学のもと、皆さんの国を訪問し、ハンセン病ゼロへの活動のみならず、患者、回復者への人権問題としてのアプローチにも協力したいと思います。近い将来、皆さんに会えることを楽しみにしています。ありがとうございました。
※本ビデオメッセージは、日本財団YouTube(外部リンク)にて視聴できます。