ヤゲロニア大学Sylff設置30周年記念式典
宮島昭夫・駐ポーランド特命全権大使、アーメン・エディガリアン・ヤゲロニア大学副学長、ポーウェル・ライドラー・Sylff運営委員会委員長、アンドルゼジ・マニア・前Sylff運営員会委員長、Sylffフェローの皆さん、そしてお集りの皆さん。ヤゲロニア大学にSylffが設置され30年を迎えました。ここにいる皆さんの弛まぬ努力のお蔭で300名近い素晴らしいフェローが輩出され、今日を迎えることができたことに心から感謝申し上げると同時に、本事業の実務を担当している東京財団政策研究所の皆さんに御礼申し上げます。本日は日本から鈴木真理常務理事が来ております。鈴木常務お立ち下さい。
皆さん御高承の通り、ポーランドと日本は100年以上の長きにわたる関係があります。我々はこの100年、文化、経済、教育、人道活動など多岐にわたる分野で協力し、発展して参りました。例えば日本に対する造詣も深い世界的に有名なポーランド映画界の巨匠であるアンジェイ・ワイダ監督は、文化・芸術の分野で両国の架け橋として活躍され、美術技術博物館“マンガ”館の建設にも尽力し下さいました。また、シベリアで飢餓や病気に苦しむ貴国の孤児を日本が救出するお手伝いを100年前にさせて頂いたことを大切に語り継いでいただいており、先日もアガタ・コルンハウゼル大統領夫人及び安倍昭恵・元総理夫人臨席のもと100周年の式典が挙行されたと伺っております。貴国の友情に改めて感謝の意を表します。
このように、極めて重要な両国関係の更なる発展のため、Sylffを通じて、世界最古の大学の一つであり、またポーランドを代表する名門校であるヤゲロニア大学と素晴らしい友好関係を構築してくることができたことは誇りでありますし、これからも両国の友好関係の中心的役割をヤゲロニア大学のSylffが果たしていって下さることを期待しております。
そして、皆さん。私はヤゲロニア大学にはSylffを通じて世界的なネットワーク構築の一翼も担っていただきたいと考えております。ご承知の通り、Sylffには世界44ヶ国69の大学機関が仲間として参加しており、卒業生は既に17,000名を超えています。我々は単にフェローの皆さんに奨学金を差し上げるだけではなく、こうしたご縁を大切に、これから一生を通じて家族のようなお付き合いをしていきたいと考えております。
既に、ヤゲロニア大学は他の東ヨーロッパのSylff校と連携するといった積極的な活動をされていると伺っています。また、コロナウイルスの影響で、世界のSylff校の中でも大学での勉強を中断せざるを得ない学生もおりました。こうした困難な時期に東京財団政策研究所のみならず、世界のSylff校の卒業生が、困っている学生に対してお金を集めて支援下さるということもありました。このように既に素晴らしい絆が構築されており、今後より一層連帯を深めていただけるよう、後程事務局から発表があると思いますが、ソーシャル・ネットワークを活用した新しいSylffネットワークについても進めております。是非ともご活用いただければ幸いです。
不確実な時代だからこそ、”One World One Family”という理念のもと、我々の絆をより拡大、深化させていただきたいものです。ヤゲロニア大学はSylffプログラムのシンボル的な存在であり、また、Sylffネットワークの中心的な存在として更なる活動を期待すると同時に、我々はヤゲロニア大学と更なる協力関係が深まることを期待しております。改めて30周年おめでとうございます!