IMLI創立35周年記念式典
アルセニオ・ドミンゲス・ベラスケス・IMO事務局長兼 IMLI理事会議長、ノーマン・マルティネス・グティエレス・IMLI所長、デイヴィッド・アタード・前IMLI所長、クリストファー・クタジャー・マルタ政府欧州外務貿易省、フェローの皆さん。この度、IMLIが創立35周年を迎えられましたことに心からお祝いを申し上げます。また、国際的な海洋秩序の実現に貢献する優秀な人材を育成しておられるマルティネス所長、そしてIMLIを長年にわたりご支援下さっているIMO並びにマルタ政府に心から敬意を表します。
ご承知の通り、健全な海洋なくして、人類の繁栄はありません。そしてIMLIが設立された35年前と比べ、海洋を取り巻く問題は一層深刻になっております。日本財団は今日の人類生存に関わる海洋問題をすでに50年前から予見し、様々な海洋問題に対処することができる人材を、これまで150ヶ国から1600名以上育成して参りました。中でも、我々が住む地球の70%を占める海洋を平和裏にそして秩序正しく利用していくため、国際共通語としての海洋法の充実と遵守に貢献できる人材の重要性は一層高まっているのではないでしょうか。
かつては「IMLIとは何か」と聞いていていた人が多かった時代がありましたが、今やIMLIで学ぶことが尊敬の対象となっています。IMLIの存在は増々国際社会で重要となってきているのは間違いありません。これは、IMLIの卒業生が各国、国際舞台で大変活躍なされ、人類生存に関わる重要な問題は海洋問題であると、世界の知識人に教示してきたことも大きいと思います。そして、IMLIの重要性を理解し支援してきたマルタ政府をはじめとする皆さんの先見性の賜物でもあると思います。私自身20年近くにわたりこうした素晴らしい人材育成事業に携わることが出来ていることを誇りに思います。
私はIMLIの存在なしに世界の海洋問題の解決はないと考えております。今やIMLIが世界の海洋問題を牽引する存在になったことを嬉しく思うと同時に、「海洋は人類の共有財産である」という認識のもと、国際法に基づく秩序ある健全な海洋の維持に引続き貢献していって欲しいと願っています。ありがとうございました。