将来世代への啓発活動を通じた、無人運航船への理解醸成

海事産業での自動化の技術がますます重要になる中、新しい船の仕事の可能性が広がっています。船の自動化の最新動向、チャンス、そしてチャレンジについて学び、デジタル時代の海と船の未来を共に考えるため、若い世代を対象とした出前授業を各地で開催しています。

高知県立須崎総合高等学校にて須崎総合高校で「無人運航船プロジェクト MEGURI2040」体験講座を開催

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MEGURI2040 無人運航船プロジェクトに参加する学生たちと、未来の技術への熱意を共有!
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未来の造船技術に挑む学生たち。プログラミングとAIで自動運航に挑戦中!

高知県立須崎総合高等学校の造船専攻では、海事産業の未来を担う人材育成に力を入れています。同校の実践的なカリキュラムでは、船舶設計や製造の基礎技術を学び、次世代の造船技術に対応できるスキルを養成。さらに、地域の海運・造船業界を支える貴重な人材を輩出しています。

2025年1月27日、同校にて、造船専攻・電気専攻・電子情報専攻の学生14名を対象に「無人運航船プロジェクト MEGURI2040」体験講座が実施されました。本講座は、無人運航技術の発展によって船の形や機能が変わり、未来の造船業界に新たな可能性をもたらすことを学生たちに体感してもらう機会となりました。

講座では、カメラ付きホバークラフトを使用し、プログラミングやAI技術を活用した自動運航技術を体験。障害物回避や衝突防止といった先端技術の基礎を学びました。学生たちは、新しい技術を駆使して船を動かす挑戦に真剣に取り組み、未来の造船技術の可能性に触れる中で学びの楽しさや新たな視点を得ている様子でした。

本講座を通じて、次世代を担う人材が技術の進化を理解し、未来の造船業界での活躍を目指すきっかけとなることを期待しています。「無人運航船プロジェクト MEGURI2040」は、我が国が世界に先駆けて進める挑戦であり、今後もこうした取り組みを通じて若手人材の育成に貢献してまいります。

日時 2025年1月27日(月)1~4限
協力 高知県立須崎総合高等学校
(株)KAMAKEのすすめ
対象 同校の造船専攻・電気専攻・電子情報専攻の学生14名
内容 カメラを搭載したホバークラフト船を使って自動運航船の体験
前半:プログラミングによる自動操船を体験
後半:機械学習より生成した物体検出技術を用いた自動操船/避航
学生の感想
  • レーダーで探知できない小型漁船などとの衝突を防ぐのは非常に難しい課題だと感じた。
  • 無人航行を目指す最先端技術の一端を知ることができ、大変貴重な体験だった。
  • 陸上とのより正確な通信を実現するためには、さらなる技術開発と設備の整備が必要だと思う。
  • コンピュータ化の進展により、艤装工程により多くの時間がかかる可能性があると感じた。

未来の船員を目指す高校生・高専生を無人運航船の陸上支援センターに特別招待

日本財団は「未来の船員を目指す高校生・高専生」を対象に、最新の海事技術が集約された船舶遠隔操作を支援する陸上支援センターへの特別見学会を実施いたしました。本見学会は、船員としてのキャリアを目指す学生に向けて、最先端の技術と未来の船員の新しい働き方を体験いただくことを目的として開催されたものです。参加した学生たちは、技術革新がもたらす未来の可能性や職業の多様な選択肢について理解を深め、将来の進路に向けた貴重な学びの機会を得ることができました。

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無人運航船陸上支援センター個船支援ブースを体験する学生
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無人運航船陸上支援センター内で参加者の集合写真
日時 2024年12月11日 午後
場所 日本財団無人運航船プロジェクト MEGURI2040 陸上支援センター
対象 無人運航船プロジェクトに関連する出前授業を実施した下記高校・高専の学生12名
  • 広島商船高等専門学校
  • 島根県立隠岐水産高等学校
  • 静岡県立焼津水産高等学校
内容
  • 無人運航体験プロジェクトの紹介
  • 陸上支援センターの紹介
  • 古野電気ショールーム見学
  • 意見交換
参加者の感想 広島商船高等専門学校の学生より
  • 無人航行船は完全に船から人がいなくなるものだと思っていましたが、その誤解が解けて安心した。
  • 船員不足が深刻化する中、小さい子どもたちに船員の魅力を伝える普及活動が重要だと感じた。堅苦しい話ではなく、陸上支援センターのように見た目のインパクトも大切だと気づいた。
  • 船の操船技術だけでなく、陸上支援など新しいキャリアの選択肢があると知り、視野が広がった。船に乗らずに関わる仕事も選べるのは良いことだと思う。
  • 無人運航の取り組みを知り、技術の変化に対応する必要性を実感した。同時に、新しい時代を創る役割を担う期待も感じた。日本と海外の無人運航に対する姿勢の違いにも興味が湧いた。
  • 遠隔運航のオペレーションやセキュリティの知識が必要になると実感し、今から準備を始めたいと思った。
島根県立隠岐水産高等学校の学生より
  • これまで、操船というと、船橋でのそれしかイメージしていなかったが、遠隔操作のイメージもついた。新たな知識を身につけ、正しくシステムを使えるかが課題だと感じる。
  • 私たちの世代がこの技術を整備し、次の世代に繋げていく役割を担うと思う。先人の知識を引き継ぎつつ、自分たちで新しい道を切り開く責任を感じている。
  • 遠隔操作では、数値や状況をより注意深く見る必要があり、基本的な操船技術が欠かせないと感じた。
  • 自動運航を実際に運航する日が来るのが楽しみ。新しい航海方法に適応し、安全な航海を目指したい。
  • 若い世代が自動運航の技術を学び、発言を通じてアイデアを出し、技術を進化させる重要性を感じた。自分の考えを発信していきたい。
  • 今回の見学により、僕らの世代は、無人運航に関する知識を一歩リードできたと感じている。この技術をさらに学び、広めて活用したい。
静岡県立焼津水産高等学校の学生より
  • 船を降りた後にどんな仕事をしたいか考えるきっかけとなり、変化する船の世界に対応したいと思った。
  • 遠隔操作技術を活用するには、機材の使い方や機能を理解し、活用するスキルが重要だと感じた。
  • 今後遠隔操作が浸透していくと、学校の乗船実習の形も変わり、私のような船員志望の学生が少なくなるのではないか、「船にのる」という夢を抱きにくくなってしまうのではないかとも思った。
  • 航海士の仕事に対する固定概念が崩れ、新しい働き方に衝撃を受けた。見学を通して選択肢が広がった。
  • 挑戦できる環境があることに感動し、自分の将来や考え方に大きな刺激を受けた。

島根県立隠岐水産高等学校での出前授業

2024年10月31日、隠岐水産高等学校にて、海洋システム科の生徒を対象に無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」に関する出前授業を行いました。

隠岐水産高等学校は、商船や水産業のみならず、資源、エネルギー、環境、海上防衛など、日本の海洋産業全体を支える人材を育成しています。今回の授業は、「船の自動化によって将来の仕事がなくなるのでは?」という学生からの質問がきっかけで実現しました。

授業では、無人運航船の技術や未来の船員像について学び、生徒たちは自動化の可能性と、将来必要とされるスキルについて考える貴重な機会を得ました。2024年7月に完成した陸上支援センターを紹介したところ、「見学したい!」との声が上がり、高い関心が寄せられました。講演後の質疑応答では活発な質問が飛び交い、無人運航船の未来に対する理解が一層深まりました。

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出前授業の様子
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7月に完成した陸上支援センターについても紹介
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生徒からの質問
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最後に、出前授業を依頼してくれた海洋テクノコースの3年生3人と記念撮影
日時 2024年10月31日
場所 島根県立隠岐水産高等学校
対象 海洋システム科 海洋テクノコースの学生
内容
  • 「MEGURI2040」の取り組み紹介
    無人運航船プロジェクト DFFAS+(Designing the Future of Fully Autonomous Ships Plus)コンソーシアム
    プロジェクトディレクター 桑原 悟氏
  • 講師の所属先等は出前授業の開催時のものです。

自律運航機器を搭載予定のフェリーに子ども達が乗船(第2弾)

日本財団の無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」の一環として、国際両備フェリーと日本財団は「キッズわくわく!船内MEGURI」を、7月13日(土)から7月15日(月・祝)にかけて、新岡山港から小豆島土庄港までの定期航路「おりんぴあどりーむせと」で開催し、3日間で子供とその保護者約140名が参加しました。

このイベントを通じて、参加者が船や海に親しみを持ち、未来の海洋技術への関心を高めることができました。日本財団は、今後もこのようなイベントを通じて、無人運航船の理解増進に努めていきます。

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「おりんぴあどりーむせと」の船上で記念撮影をする子供と無人運航船プロジェクト DFFAS+プロジェクトマネジメントオフィサー桑原キャプテン
日時 2024年7月13日から7月15日
場所 国際両備フェリー「おりんぴあどりーむせと」船内(新岡山港~小豆島土庄港の定期航路)
対象 国際両備フェリー「おりんぴあどりーむせと」に乗船する子供及び保護者
内容 キッズわくわく!船内MEGURI プログラム
  • 無人運航船セミナー:未来の船について学ぶセミナー。
  • 操舵室見学:普段入れない操舵室を見学。
  • ワークショップ:ミニチュア貨物船での荷積みシミュレーション。
  • 信号旗の仕組み:船の通信に使う旗を使って名前をつくる。
  • 船内スタンプラリー:船内を探索しながらスタンプを集める。

自律運航機器を搭載予定のフェリーに子ども達が乗船

日本財団の無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」の一環として一般財団法人日本船舶技術研究協会が主催した「みらいのフネ!ワクワク乗船体験」が、新岡山港と小豆島を結ぶフェリーで開催されました。この乗船体験では、無人運航船に興味を持つ子どもたちとその家族約100人が、自律運航機器を搭載予定のフェリーに乗船し、船内でのワークショップを通じて無人運航船のメリットや未来について学びました。また船橋(ブリッジ)も見学し、船長から船の航行について楽しく解説を受けたほか、下船後には小豆島観光も楽しみました。

このイベントを通じて、参加者は船や海に親しみを持ち、未来の海洋技術への関心を高めることができました。日本財団は、今後もこのようなイベントを通じて、無人運航船への理解を深めるための取り組みを続けていきます。

日時 2024年3月3日(日)
場所 国際両備フェリー「おりんぴあどりーむせと」船内(新岡山港~小豆島土庄港の定期航路)
対象 国際両備フェリー「おりんぴあどりーむせと」に乗船する子供及び保護者
内容 乗っちゃおう!おりんぴあどりーむせと!みらいのフネ!ワクワク乗船体験 プログラム
  • 「海や未来の船ついて学んでみよう!」講師:DFFAS+ PMO 桑原悟様
  • おりんぴあどりーむせと ブリッジ見学「船長さんに聞いてみよう!」
  • 小豆島オリーブ公園でスタンプラリー
写真:無人運航船の乗船体験で、船長から船の航行について解説を受ける参加者たちの様子。
「おりんぴあどりーむせと」のブリッジを見学する子供たち

東海大学 静岡キャンパスでの出前授業

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「無人運航船実現に向けたJRCSの取り組み」について講演する中野和昌 氏
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「無人運航船実現に向けたBEMACの取り組み」について講演する 秋山和輝氏
日時 2023年11月9日
場所 東海大学 静岡キャンパス
対象 東海大学海洋学部 海洋理工学科 海洋理工学専攻 航海工学科 海洋機械工学専攻の学生
内容
  • 「MEGURI2040」の取り組み紹介
    日本財団 海洋事業部 桔梗哲也
  • 無人運航船実現に向けたJRCS の取り組み」
    JRCS(株)Digital Innovation LAB 中野和昌 氏
  • 「無人運航船実現に向けたBEMAC の取り組み」
    BEMAC(株) 東京データラボ 秋山和輝氏
  • 講師の所属先等は出前授業の開催時のものです。

広島商船高等専門学校での出前授業

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「宇宙の今とその通信利用について」講演をする古川操氏
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「みらいのウェザールーティング(象海象等を考慮した経路設計)」について講演をする岩佐 秀徳氏
日時 2023年10月24日
場所 広島商船高等専門学校
対象 商船学科航海系、電子制御工学科・流通情報工学科の学生
内容
  • 「宇宙の今とその通信利用について」
    (株)Space Compass 宇宙DC事業部 事業開発部 部長 古川操氏
  • 「みらいのウェザールーティング(気象海象等を考慮した経路設計)」
    (株)ウェザーニューズ 常務執行役員 交通気象事業主任責任者 岩佐 秀徳氏
  • 「巨大な船がロボット?始まる無人運航支える通信技術」
    NYK Business Systems Europe Ltd. Maritime Security Operations Centre Manager 柴田 隼吾氏

鳥羽商船高等専門学校での出前授業(第2回)

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「内航コンテナ船とカーフェリーに拠る無人化技術実証実験」について講演する佐竹 賢一氏
日時 2023年7月9日
場所 鳥羽商船高等専門学校
対象 商船学科の学生
内容
  • 「内航コンテナ船とカーフェリーに拠る無人化技術実証実験」について
    (株)商船三井 スマートシッピング推進部 部長 山根啓氏
    (株)商船三井 スマートシッピング推進部スマートシップ運航チームコーディネーター 佐竹 賢一氏

鳥羽商船高等専門学校での出前授業(第1回)

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「無人運航船の未来創造~多様な専門家で描くグランド・デザイン~」について講演する高橋 英次氏
日時 2023年6月7日
場所 鳥羽商船高等専門学校
対象 商船学科の学生
内容
  • 「無人運航船の未来創造~多様な専門家で描くグランド・デザイン~」
    (株)日本海洋科学 運航技術グループ 自動運航船チーム チーム長 高橋 英次氏

鳥取大学 鳥取地区キャンパスでの出前授業

ロゴ
MEGURI2040ロゴ
日時 2022年12月19日
場所 鳥取大学 鳥取地区キャンパス
対象 工学部 機械物理系学科の学生
内容
  • 「「無人運航船プロジェクト」を支える古野電気の技術」
    古野電気(株) 舶用機器事業部 開発設計統括部 自律航行システム開発部 部長 原 裕一氏

東海大学での出前授業

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「自動運航船・無人運航船の実現に向けて」講演する松井 裕氏
日時 2022年11月10日
場所 東海大学
対象 東海大学海洋学部 海洋理工学科 海洋理工学専攻 航海工学科 海洋機械工学専攻の学生
内容
  • 「自動運航船・無人運航船の実現に向けて」
    日本船舶技術研究協会 研究開発グループ⻑ 松井 裕氏

長崎総合科学大学での出前授業

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「スマートフェリーの開発について」講演する森 英男氏
日時 2022年9月26日
場所 長崎総合科学大学
対象 工学部 船舶工学科の学生
内容
  • 「スマートフェリーの開発について」
    三菱造船(株) マリンエンジニアリングセンター
    環境技術部 開発グループ マネージングエキスパート 森 英男氏
    事業戦略推進室 電化デジタル化グループ 上席主任 佐伯 和基氏

焼津水産高校での出前授業

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航海士を目指す学生達との集合写真
日時 2022年7月14日
場所 焼津水産高校
対象 航海士、機関士を目指す学生
内容
  • 「日本財団無人運航船プロジェクトMEGURI2040とは?」
    日本財団 海洋事業部
  • 「DFFASプロジェクトが描く未来の船とその仕事」
    日本海洋科学(株) 運航技術グループ長 桑原 悟氏
  • 「商船三井コンソーシアムが描く未来の船とその仕事」
    (株)商船三井 スマートシッピング推進部スマートシップ運航チームリーダー 鈴木 武尊氏

千葉市立海浜打瀬小学校の5年生を対象とした特別授業

日本財団は、無人運航船の実用化を目指す「MEGURI2040プロジェクト」の一環として、千葉市立海浜打瀬小学校の5年生約80人を対象にした特別授業を実施しました。授業では、DFFASチームのプロジェクト拠点である「DFFAS陸上支援センター」にて、無人運航をコントロールするシステムを見学しました。ICTやAIなどの最先端技術について説明し、無人運航が未来の海や地球に与える影響についても解説されました。

写真:「無人運航船DFFAS陸上支援センター」小学生の社会見学の集合写真
日時 2021年10月5日(火)9:00~12:00
場所 千葉市美浜区中瀬1-3幕張テクノガーデン B棟
対象 千葉市立海浜打瀬小学校の5年生約80人
内容
  • 「無人運航船」についての座学授業(講師:日本財団、DFFASの専門家)
  • DFFAS陸上支援センター 見学
  • 船の安全で効率的な運航に欠かせない「天候・海況」の情報を提供するウェザーニューズ社の見学
  • まとめ

お問い合わせ

日本財団 無人運航船MEGURI2040事務局

  • メールアドレス:MEGURI2040@ps.nippon-foundation.or.jp