タイの大卒障害者 最新の就労実態を調査職場で働く障害者の主要な就労傾向を明らかに

日本財団は、Social Innovation Foundation(タイ)およびTSIS Partnership(タイ)と協力し、タイで高等教育を修了した障害者の就職状況や職場での定着について調査を行いました。本報告書では、就職に影響を与える主な要因を明らかにし、障害のある人が働きやすい職場環境をつくるための提言をまとめています。調査結果は、2025年2月14日に開催されたオンラインワークショップで発表され、障害者支援機関、障害者団体、雇用主、政府関係者、メディアなど、多くの現地関係者が参加しました。

調査の概要

この調査では、職場で働く障害者423人(大学、専門学校卒)を対象にアンケートを実施し、さらに、就職している人とまだ就職していない人、その家族、雇用主、障害者支援団体などを交えた6つのグループディスカッションを行いました。調査結果は、障害者の就職活動の実態や、仕事を続けるうえでの課題を理解するための基礎データとなります。

主な調査結果

  • 個人の要因:性別や障害の種類、学歴、就職活動を始めたタイミングによって、仕事への満足度や職場に定着する可能性が変わることが分かりました。特に、より高い教育を受けた人は、より良い就職状況にある傾向が見られました。
  • 職場の要因:学んだ内容と仕事の関係性、障害学生支援サービス(DSS)からのサポート、就職活動時の支援の有無が、就職後の経験に影響を与えていました。DSSの支援を受けた人は仕事に満足している傾向がありましたが、それが長期的な職場定着につながるとは限らないことも分かりました。
  • 雇用の質と安定性:給料や職場での配慮、オンザジョブトレーニング(OJT)が、安定した就職に大きく影響していました。

今後の課題と提言

報告書では、障害者が仕事を続けやすくするために、就職直後の支援を強化すること、雇用主との連携を深めること、職場での配慮を充実させることが重要だと提言しています。
この調査報告書の全文(英語・タイ語)はダウンロード可能です。関係者が協力し、タイでの障害者の就職をより支えやすい環境にすることが期待されます。

報告書

お問い合わせ

日本財団 特定事業部 インクルージョン推進チーム

  • 担当:石川、中川
  • メールアドレス:100_inclusion_suishin@ps.nippon-foundation.or.jp