難病の子どもと家族を支える地域連携ハブ拠点「医療型特定短期入所施設はっぴぃかぼちゃん」を熊本県に開設日本初の「気道クリアランス(※)」と「歯科による口腔ケア」を合体させた施設を整備
日本財団が推進する難病の子どもとその家族を支えるプロジェクトのもと、2022年2月13日に医療法人おがた会が運営する「医療型特定短期入所施設はっぴぃかぼちゃん」が熊本県で開所しました。難病児とその家族の孤立を防ぎ、育ちを支えるためには、医療、福祉、教育など子どもたちに関わる機関や、子どもと家族を支える専門家とのつながりが不可欠です。それらの機関と共に、子どもの成長を見守っていくための各機関の連携拠点(地域連携ハブ拠点)を設置する本プロジェクトでは、全国30拠点の設立を目指しています。28拠点目となる「医療型特定短期入所施設はっぴぃかぼちゃん」では、eスポーツセンター等を併設し、人工呼吸器を必要とする子どもたちが様々な体験をし、成長する機会の提供を目指していきます。

- ※ 気道クリアランスとは、気道内の痰や異物(細菌・ウイルス・ほこり・花粉など)を排出する能力です。自力で痰の喀出ができない場合、気道内をきれいに保つことができず呼吸状態の悪化等に繋がります。
「医療型特定短期入所施設はっぴぃかぼちゃん」設置の背景
運営者団体である医療法人おがた会が開業した1998年当時より、小児在宅人工呼吸療法(※)を取り扱う医療機関は限られていました。訪問看護などの支援体制がまだ十分とはいえない中、難病の子どもとその家族が、地域で安心して暮らすための環境整備の一環として開所する「医療型特定短期入所施設はっぴぃかぼちゃん」では、医療機関との連携による24時間体制でのお預かりが可能です。

- ※ 小児在宅人工呼吸療法とは、呼吸不全の(自発呼吸ができない)子どもが人工呼吸器を装着し、自宅で療養する状態を指します。
「医療型特定短期入所施設はっぴぃかぼちゃん」の特色
1.口腔ケアによる呼吸器感染症の予防
訪問型歯科クリニックと連携し子どもたちの口腔ケアを行い、誤嚥性肺炎の防止を目指します。
2.e-スポーツセンター
e-スポーツを経験することで自分の可能性に気づき、人工呼吸器があってもシステムエンジニアや介護施設の運営、将棋の熊本県代表になる難病の子どもも出てきました。「医療型特定短期入所施設はっぴぃかぼちゃん」では、将来への扉を開ける一助になればという願いのもとe-スポーツセンターが設けられています。
3.災害対策
大きな被害を伴う地震の発生に備え、無停電電源装置と4トン分の水タンクを備えた災害対応施設です。コロナ禍における感染対策も行い、外部との接触を防ぐ工夫をしています。
施設概要
所在地 | 熊本県熊本市北区鶴羽田三丁目1番50 |
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開設時間 | 10:00~16:00 定休日:水・日・祝 |
対象者 | 医療的ケア児、重度心身障害児(者) |
スタッフ | 歯科医師、看護師、理学療法士、歯科衛生士、介護士、保育士、事務員 |
活動内容 | 医療型短期入所、呼吸器リハ、在宅支援、口腔ケア、相談支援等 |
運営団体 | 医療法人 おがた会 |
敷地面積 | 296.16㎡(延床面積 200.92㎡) |
設備仕様 | 医療型特定短期入所、呼吸器リハ、歯科保問診療所、e-スポーツ、地域交流スペース等 |
コンセプト | 口腔ケアと気道クリアランスで肺炎予防 |
おがた会理事長理事長 緒方健一氏より
我々には、以下3つの目標があります。①「気道クリアランスができる人材の育成」、②「安心を提供し、喜ばれるお預かり施設を増やす」、③「ご家族亡き後の、終の棲家の提供」です。
難病の子どものうち、重症児の死因の多くは肺炎などの呼吸器系が関係しています。「医療型特定短期入所施設はっぴぃかぼちゃん」では、そうした気道内の痰や異物を排出するための気道クリアランスの実技研修を受け持ちます。
また、口腔ケアをあわせて行うことで呼吸器感染症を予防し、子どもたちが元気になんにでも挑戦できる環境を提供したいと思います。
22年間の小児在宅医療の経験から、希少難病という敵と立派に闘った子どもとご家族は、大切な同志です。同志からのご意見も参考に、素晴らしい施設となりますようスタッフともども努力を続けます。

「難病の子どもと家族を支えるプログラム」について
全国25万人以上といわれる難病の子どもとその家族が孤立しない地域づくりを目指し、「医療」「福祉」「教育」「フィランソロピー」の4領域について、「医療的ケアが必要な小児に対応する訪問看護研修」「ICTを活用した退院・復学支援事業」「外出が困難な子どもと家族向け相談カーによる訪問」等、毎年30以上のモデルとなる事業を全国規模で展開。当施設は、28番目の「難病の子どもと家族を支える地域連携ハブ拠点」として誕生しました。
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