能登の地域交流拠点「みんなの憩いの場」建設へ食堂や温浴施設、コワーキングスペース等整備、能登半島地震被災地全9カ所に助成決定
日本財団は、令和6年能登半島地震および奥能登豪雨で甚大な被害を受けた石川県で、発災直後の物資の輸送や家屋・道路の応急復旧、NPO団体への助成などで総額約25億円の支援を実施してきました。このたび中長期の復興支援の一環として、奥能登地域を中心に住民の交流を一層促進するため「みんなの憩いの場」整備計画を策定し、全9カ所の建設・運営に対する助成を決定しました。2025年7月以降、順次各施設の運営が開始される予定です。

奥能登では住居や公民館、お店といったコミュニティを支える様々な施設が甚大な被害を受けました。住み慣れない仮設住宅や修繕を待つ自宅で、あるいは一時的に地元を離れて暮らす人々が、日常の習慣や関係を自ら取り戻していくことは容易ではありませんが、奥能登は力強く前に進もうとしています。孤立や災害関連死を防ぎ、地域が復興に向かっていくために、住民同士が集い、憩える場が求められています。そこで日本財団では、1日でも早く元の生活を取り戻してほしいという思いから、食堂や温浴施設、コワーキングスペースなどを備えた地域交流拠点を珠洲市、輪島市、穴水町、能登町の全9カ所に建設することを決定しました。所定の審査を経てプロジェクトを採択した社会福祉法人やNPO等に対し、総額約22億円の建設・運営費を助成し、早い施設で2025年7月の運営開始を見込んでいます。
日本財団では過去にも被災地における地域交流拠点立ち上げを支援してきました。東日本大震災で被害を受けた宮城県女川町のJR女川駅前では、2015年に「女川フューチャーセンターCamass」が開設。現在もまちづくり会議や創業支援、お試し移住の拠点として、地域の内外をつなぎ復興を支える拠点機能を担っています。今回の「みんなの憩いの場」設計には石川県にゆかりのある建築家や、伊東豊雄氏が主宰する建築プロジェクト「HOME FOR ALL」等が参画しており、地域に根差した居場所づくりを進めるとともに、石川県の関係人口の創出にも寄与してまいります。
「憩いの場」整備計画概要(予定)
狼煙町みんなの家(仮称)
- 場所:石川県珠洲市狼煙町テ13-1
- 構造:木造平家建
- 敷地面積:535㎡
- 延床面積:100㎡
- 施設概要:交流スペース、食堂・厨房
- 運営:(特非)奥能登日置らい
- 設計:クライン・ダイサム
- 事業内容:イベント・ワークショップの開催、子ども向け遊学イベント、地域伝統の継承等
- 運営開始予定時期:2025年7月

中田文化額装店(仮称)
- 場所:石川県珠洲市飯田町14-13
- 構造:木造2階建
- 敷地面積:248.52㎡
- 延床面積:215㎡
- 施設概要:交流スペース、食堂・厨房等
- 運営:(特非)ガクソー
- 設計:パーシモンヒルズ・アーキテクツ
- 事業内容:子ども向け学習支援やプログラミングや芸術教室等の実施、高校や企業と連携したワークショップ、カフェ運営等
- 運営開始予定時期:2025年12月

コミュニティBASEうるしはら(仮称)
- 場所:石川県輪島市23部1番地5
- 構造:木造2階建(改修)
- 敷地面積:245.02㎡
- 延床面積:149.90㎡
- 施設概要:交流スペース、キッチン
- 運営:(一社)ごちゃらあと
- 設計:山本周建築設計事務所
- 事業内容:ヨバレ(食事会)や各種体験教室など交流企画の実施と発信、訪問診療および看護と一体的な個別訪問活動の実施
- 運営開始予定時期:2025年12月

宇出津コミュニティセンター(仮称)
- 場所:石川県鳳珠郡能登町字宇出津タ45-1
- 構造:木造2階建
- 敷地面積:937㎡
- 延床面積:737㎡(助成対象分496㎡)
- 施設概要:交流スペース、食堂・厨房、温浴施設等
- 運営:(社福)佛子園
- 設計:Kyma
- 事業内容:障害者雇用事業、仮設住宅在住被災者の移動支援等
- 運営開始予定時期:2026年1月

多世代交流センターamiza(アミザ)
- 場所:石川県鳳珠郡穴水町字大町ほ17-1
- 構造:鉄骨造
- 敷地面積:3,669㎡
- 延床面積:902㎡(助成対象分512㎡)
- 施設概要:交流スペース、食堂・厨房、温浴施設等
- 運営:(社福)牧羊福祉会
- 設計:山岸建築設計事務所
- 事業内容:健康体操等各種教室・地域交流イベント・福祉法人作成物即売会等の実施等
- 運営開始予定時期:2025年12月

鵜川みんなの番屋(仮称)
- 場所:石川県県鳳珠郡能登町鵜川19-94
- 構造:木造2階建
- 敷地面積:357㎡
- 延床面積:190㎡
- 施設概要:交流スペース、食堂・厨房、災害備蓄倉庫等
- 運営:(一社)能登を紡ぐ
- 設計:工藤浩平建築設計事務所
- 事業内容:子どもの居場所づくり、仮設住宅への傾聴訪問活動、祭事実施拠点、食文化継承イベント等
- 運営開始予定時期:2026年2月

町野コミュニティセンター(仮称)
- 場所:石川県輪島市町野町東大野出村109(町野町野球場)
- 構造:木造2階建
- 敷地面積:991㎡
- 延床面積:592㎡(助成対象分380㎡)
- 施設概要:交流スペース、ウェルネス、食堂・厨房、温浴施設等
- 運営:(社福)佛子園
- 設計:Kyma
- 事業内容:高齢者向けデイサービス、仮設住宅在住被災者の移動支援等
- 運営開始予定時期:2026年1月

鉢ヶ崎みんなの憩いの場(仮称)
- 場所:石川県県珠洲市蛸島町鉢ヶ崎36− 3
- 構造:木造1階建
- 敷地面積:972.92㎡
- 延床面積:188.79㎡(+半屋外166.66㎡)
- 施設概要:多目的交流スペース、食堂・厨房、コワーキングスペース、半屋外等
- 運営:(一社)みんなの馬
- 設計:EIKA studio
- 事業内容:交流イベントの開催、住民参加型おばんざいの実施、防災ワークショップの実施等
- 運営開始予定時期:2025年12月

ソ・ト・ウ・ラみんなの家(仮称)
- 場所:石川県珠洲市大谷町1-78-3
- 構造:木造1階建
- 敷地面積:1,002㎡
- 延床面積:195㎡(+半屋外165㎡)
- 施設概要:交流スペース、食堂・厨房・商店、コワーキングスペース等
- 運営:(特非)外浦の未来をつくる会
- 設計:近藤哲雄建築設計事務所
- 事業内容:子どもの居場所作り、被災地ツアーの実施、地域ブランドの確立、地域の商品開発等
- 運営開始予定時期:2025年10月

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地震や洪水、土砂災害など、日本の自然災害は増え続ける傾向にあります。日本中の安全なくらしを支えるために、日本財団ができること。それは、災害発生時からの緊急支援を、復旧・復興に向けては中・長期的な支援を、平時には万一に備えた仕組みづくりを行うことです。そのためには、政府や地域社会、NPO、企業などとの連携が不可欠。阪神淡路大震災以降、現場を知る日本財団が支援のハブとなり、ネットワークの力で災害に立ち向かいます。
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